はじめに
旅行の経緯
今から10年ほど前の2009年7月〜8月にかけて新疆ウイグル自治区のトルファン市、アクス市を訪問し、現地ウイグル族の家にホームステイをさせてもらいました。
北京留学中に最初に友達になったのがウイグル人の方で、北京では彼と彼の友達のウイグル人たちとウイグル料理を食べに行ったり、モスクで礼拝をしたりと小さい頃からの憧れだったウイグル文化に触れる機会を得ました。
そんな彼から「夏休みにウイグルに帰省するから来ないか?」と誘ってくれたのがきっかけで初めてウイグルに訪問することとなりました。
僕自身小学生の頃からシルクロードに憧れを抱いており、小四くらいからトルファンに行きたいという夢を持っており遂に夢を実現することが決まったわけです。
ところが出発直前の7月5日にウルムチで暴動が発生。
大学の教授からは「行くなよお前、マジで。」と対面で言われたり、北京からの直行列車が中止になったりしたわけですが、18歳の僕はなぜか「行かないことは死ぬことより後悔する」と判断し、北京→鄭州→西安→トルファンと列車を乗り継ぎ3日間かけて移動し、7月12日遂にトルファン入りしました。
滞在では暴動中でだったこともありバスで郊外に向かっていた際、検問で降ろされ数時間拘束されたりもしましたが、それでも無事に北京に戻ってくることができました(教授からはこっぴどく怒られましたが)。
合計2週間ほどの滞在中にはウイグル族の日常生活を体験することができ夢のような時間を過ごすことができました。
写真もたくさん撮りましたがずっとHDDで眠っていたので公開します。
読んでほしい人
シルクロードやオアシス、ウイグル族、イスラム教徒の本来の日常生活に興味がある方には是非読んでもらいたいです。
今回の旅はホームステイが中心なので観光情報はあまりないです。
ウルムチやカシュガルにも訪問していません。
また、写真が数百枚あるので、文章よりも写真中心の構成にします。
また、1つの記事にすると長すぎるので、記事を分けて紹介していきます。
当記事について
なお、ウイグル自治区は情勢が不安定な地域でもありますが、当記事では政治と絡めることはせず純粋にウイグル族の生活について知ってもらうことを考えています。
日本(世界的にも)ではあまり知られていない地域であるウイグルの人々がどのような生活を送っているのか興味を持つきっかけとなれば幸いです。
新疆ウイグル自治区
※地図は僕が鉄道を使って移動した大まかなルートです。
約3,500km(東京から種子島まで直線で1,000km)です。
新疆ウイグル自治区は中国の最も西に位置する自治区です。
上海から首府ウルムチまで約6時間のフライトです。
上海ー成田が3時間程度なので倍の距離があります。
ということで同じ中国国内でありながら全く異なった民族、言語、文化が広がっている地域です。
ウイグル自治区にはウイグル人を始め多くの少数民族が暮らしています。
また、古代よりシルクロード交易の要所であったことから東西文明が交わる地域でした。
今はウイグル族などのイスラム教の地域ではありますが、仏教遺跡が残っていたりするので、歴史的にも興味深い地域です。
地形も個性があり、日本の約4.5倍の自治区内には7,000m級が連なる天山山脈、崑崙山脈やタクラマカン砂漠があり、天山山脈、崑崙山脈の山麓には豊かなオアシス都市が連なり、山からの雪解け水は内陸河川となり海ではなくタクラマカン砂漠に流れ込みます。
首府ウルムチへのアクセス
ウルムチへは航空便が便利です。
ウルムチはウイグル自治区のハブ空港となっています。
ウイグル巡りをする場合、航空便でウルムチ入りし、鉄道でタクラマカン砂漠周縁の都市を巡り、カシュガルから航空便で帰るという流れが良いでしょう。
航空便は料金比較が簡単なSkyscannerまたは以下のクーポンが使えるSurpriceでの予約がおすすめです。
トルファン 市内ウイグル族宅にホームステイ編
トルファン市
シルクロードの要所にあるオアシス都市です。
周辺が砂漠ながら、街には水路が張り巡らされ、水資源が非常に豊かな都市です。
山からカレーズと呼ばれる地下水路で市内へと引水します。
また海から数千キロ離れた内陸地でありながら、海抜は最も低い地点で-154mとなっており、中国では最も海抜が低い都市となっています。
日照時間が長く、水資源も豊富なことからブドウ栽培が盛んです。
街の至る所で栽培が行われています。
タラス河畔の戦いに出向いた唐の軍隊や西遊記の玄奘三蔵、マルコポーロなんかがこの地点を通過したのかと空想するだけでワクワクしますよね。
鉄道移動編
アクス 農村ウイグル族宅にホームステイ編
アクス市
天山山脈の山麓、タクラマカン砂漠の淵に位置するオアシス都市です。
背後の天山山脈は7,000m級が連なり、山はキルギスとの国境を形成しています。
トルファンとカシュガルの中間地点に位置し、天山南路の要所でもあります。